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2021.10.18
自宅で葬儀のメリットデメリット。名古屋の葬儀事情も踏まえて解説。

自宅で葬儀をしたいと思われている方は、今でも一定数いらしゃいます。
なぜ自宅で葬儀をしたいと思われるのか、その理由はさまざまありますが、主に次のような理由が多いようです。
・自宅で葬儀をすれば費用を安く抑えられる。
・愛着ある自宅から旅立ちたい。
・葬儀場などの貸し式場を使いたくない。
もちろん、上記以外にも多数の理由があると思います。
この記事では、そのように思われる方に向け、自宅で葬儀を行う際のメリットデメリットを最近の名古屋の葬儀事情も踏まえて詳しく解説していきます。
昭和区の葬儀は、メモリアルホール川名にお任せください。
目次
自宅で葬儀をする人はまだいるのか?名古屋の葬儀事情

最近でも自宅で葬儀をする人はいるのでしょうか?
答えは、「非常に稀だけどいる」になります。
ただし、昔、自宅での葬儀が当たり前だった頃のような葬儀ではありません。
自宅に白と黒の幕で飾り付けをして、大勢の弔問客が参列し、お坊さんが来てお経を読んで、皆さんに入れ替わり入ってもらって焼香をする。
そんなお葬式はほとんどなくなりました。
多くの場合、あなたがイメージするような“お葬式”ではなく、ただ自宅に遺体を安置して、自宅で納棺して、自宅でお別れをして、自宅から出棺するというだけのものです。
端的に言えば「自宅から出棺するだけ」というカタチです。
葬儀とは、「葬送儀礼」の略です。
「葬る」+「儀式」という言い方もあります。
いずれにしても、死者を葬るための儀式が葬儀であり、儀式がないものを“葬儀”と呼ぶかどうかは議論が残ります。
しかし一方で、「葬儀はこうでなければいけない」というルールも法律もありませんので、どんなカタチであっても残された人が納得できれば、それは「葬儀」です。
少し話がそれましたが、結論として現在では「自宅で昔のような葬儀をする」ケースはほとんどないと行っても過言ではないでしょう。
自宅で葬儀をすることのメリット

どのようなカタチを“葬儀”と定義するかはさておき、自宅で葬儀をすることのメリットをご紹介したいと思います。
細かなメリットを上げればもっとたくさんあるかもしれませんが、大きくは次の3つになると思います。
・慣れ親しんだ自宅から送り出せる
・葬儀場の使用料を削減できる
・近所の方がお参りしやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
自宅で葬儀をするメリット①慣れ親しんだ自宅。
まず一番大きなメリットとしては、「慣れ親しんだ自宅で最後の時間を過ごしてあげることができる」ことでしょう。
特に亡くなられた人が自分で建てた家ならば、その愛着は相当なものだと思います。
今は少なくなりましたが、一昔前は、
「自宅で葬儀ができるように(広さや間取りを考慮して)建てた」ことを自慢にする方もいらっしゃいました。
そうした方にとっては、やはり最後を自宅で過ごしたい、自宅から送り出してもらいたいという想いは強いものだと思います。
自宅で葬儀をするメリット②葬儀会場費用の削減
次に上げられるメリットは、葬儀会場にかかる費用がかからない、という費用面のメリットになります。
葬儀会館で葬儀を行えば、基本的にはその会場の使用料が必要となります。
自宅で葬儀を行った場合、その費用を削減することが可能となります。
ただし、お願いする葬儀社のプランによっては、式場利用料も含まれており、自宅で行ったからといって削減できない場合もありますので注意が必要です。
自宅で葬儀をするメリット③近所の方がお参りしやすい。
近所の方がお参りしやすいことも、自宅で葬儀を行うメリットと言えるでしょう。
いくら近くの葬儀場を借りるとしても、ご近所の方からすれば自宅が一番近いのは間違いないと思います。
もちろん、本当に葬儀場のすぐ隣の家であれば、距離的にはあまり変わらないかもしれませんが、多くのケースではご近所の方にとって自宅が一番近いことが多いと思います。
自宅で葬儀をすることのデメリット
自宅で葬儀をすることのメリットを3つご紹介させて頂きましたが、次に自宅で葬儀をする際のデメリットをご紹介したいと思います。
自宅で葬儀をすることのデメリットは、ざっと次のようなものがあると考えられます。
・駐車場がなくて困る
・自宅を片づけなければいけない
・大勢入るスペースがない
・トイレなど清掃が大変
・お茶や湯呑、座布団などの備品が揃っていない
・飾りの規模によっては、葬儀後に留守番が必要
・家族葬などでひっそり行いたいと思っても近所の人に知られてしまう
以上のようなデメリットが考えられます。もちろん、それぞれのご事情によってデメリットとならない方もいらっしゃるとは思いますが、それぞれ解説したいと思います。
自宅で葬儀をするデメリット①駐車場の問題
よほど田舎の地域でない限り、余分に駐車場のスペースを確保しているお宅はありません。
本当に街中で駅近のお宅であったとしても、葬儀に参列される親戚の方など、多くの場合は自家用車でいらっしゃるでしょう。
近くにコインパーキングなどがあれば良いのですが、そうした好条件でもない限り、たいていの場合は駐車場に困ることでしょう。
それこそ、自宅での葬儀が当たり前の時代ですら、駐車場の問題はありました。
しかし、ご近所もそうした事情はご存じで“お互い様”の文化が根付いていましたので、大きな問題になることは少なかったように思います。
しかし、近年ではそうはいきません。
万が一、別のお宅の駐車場を塞ぐカタチで路上駐車をしたり、路上駐車がもとに事故でも起きてしまったら大変なことになってしまいます。
自宅での葬儀は、こうした駐車場の問題が発生する可能性があるのがデメリットと言えるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット②片づけの問題
葬儀をするために必要なスペースを確保するため、かなら大がかりな片づけをしなければいけない場合が一般的です。
ソファ、テーブル、サイドボード、タンスなどを片づけたりする必要がある場合、それらを誰かが片づけなければいけません。
昔は葬儀屋さんも自宅で葬儀をするために、そうした片づけは慣れっこでしたが、最近の葬儀屋さんは、自宅での葬儀経験があるスタッフも少なくなっており、手伝ってくれるとは限りません。
また、家具の移動などは「何かあっても責任持てませんので」と断れる可能性もあります。
家族・親戚で男性の手がたくさんある場合や、片づける必要がないくらい広い邸宅の場合は不要な心配かもしれませんが、一般的にはこうした片づけの手間がかかるのも、デメリットと言えるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット③スペースの問題
前述したように、昔は葬儀がしやすいように、和室田の字に配置して広く作られた家もたくさんありましたが、今の住宅事情はそうではありません。
冠婚葬祭を自宅でやる前提など全くしていないのです。
それどころか、仏間や仏壇を置くスペースを確保している家も少なくなっています。
いくら少人数とは言え、葬儀となるとある程度の人数が自宅に出入りします。
また、祭壇が必要な場合は、祭壇のスペースを確保しなければいけませんし、お棺もそれなりにスペースを必要とします。
また、棺の前にお坊さんのスペース、皆さんの焼香するためのスペースなどを考えると、葬儀会場となる部屋だけでも8畳~10畳くらいは欲しい所です。
※参列者が待機しているスペースは別です。
それからもう一つ大事な条件が、「棺の出入りが容易であること」です。
棺は水平に保ったまま移動しなければいけません。
歩いて移動する時は問題ない廊下の曲がり角や、狭い扉・段差・階段などが、2m近い長さの棺を水平に移動するには困難な場合があるのです。
こうした、スペースや移動動線の確保も、自宅で葬儀をする際のデメリット(難しくする要因)となるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット④清掃の問題
葬儀場であれば、トイレなど共有部分の清掃やトイレットペーパーの補充などはスタッフさんがやってくれます。
しかし、自宅では全て自分たちでやらなければいけません。
しかも、悲しみの中の家族がです。
もちろん、親戚の方などが手伝ってくれる事もあると思いますが、なかなか期待できるものではありませんし、他人ではどこに何があるか分からないので、結局自分たちの手間はかかります。
大勢の人が出入りすればそれだけ汚れますので、掃除も余分に必要になってくるでしょう。
また、療養生活が長かった場合は、自宅が整理整頓されているお宅は多くなく、皆さんに入っていただくための掃除・片付けもかなりの労力だと思います。
こうした、始まる前、そして途中、さらに葬儀が終わった後の片づけや清掃も、大きな負担となりデメリットと言えるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット⑤備品の問題
自宅で葬儀を行う場合、参列して頂いた方に出すお茶一つをとっても、全部自分たちで用意しなければいけません。
お茶葉、湯呑、お菓子なども揃えなければいけませんし、大勢人が集まればティッシュペーパーも必要です。
食事を出すとなれば、取り皿、割り箸などもいるでしょう。
人数が多ければ座布団なども足らなくなる場合もあります。
もちろん、家族だけの少人数で行う葬儀であれば不要な心配かもしれませんが、家族以外のり方が出入りする葬儀であれば、そうした備品や消耗品を整えなければいけないことも、デメリットと言えるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット⑥留守番の問題
自宅で葬儀が終わると、火葬場に向けて出棺をします。
当然、家族は全員火葬場についていくことになるため、自宅を留守にしなければいけません。
しかし、出棺のタイミングでパっと片づけられる規模の飾りであれば良いのですが、そうではなく、祭壇の飾りがあったり、たくさんの供花が飾られている場合、葬儀社も片づけに時間がかかる事が普通です。
その場合は、その片づけが済むまで自宅にどなたか留守番がいなくてはいけません。
昔は近所のお手伝いの方が何名か残ってくださっていたものですが、最近ではそうした習慣もあまりないため、家族や親戚の誰かが残るのが現実的です。
こうしたひと手間も、自宅で葬儀をすることのデメリットになるでしょう。
自宅で葬儀をするデメリット⑦隠密性の問題
最後にご紹介するデメリットは、「ごく近親者のみで葬儀をしたい」場合のデメリットと言えます。
最近、「家族だけで小規模で葬儀をしたい」というご要望が多く聞かれます。
そうしたご希望をもっていらっしゃる方が、自宅で葬儀をしようとした場合、どうしてもご近所の方に知られてしまい、そうした希望が叶わない可能性があるのです。
亡くなられた病院などから直接葬儀場に入り、そこで葬儀をすましてしまう場合は、ご近所の方に全く知られることなく葬儀を済ますことが可能です。
もちろん、家族が自宅から喪服で出入りする姿を見られれば、知られてしまう可能性はありますが、そこさえ気を付けていれば、「家族だけでひっそり」と葬儀を執り行うことは可能です。
しかし、自宅で葬儀をする場合、なかなかご近所の方に知られないようにするのは困難です。
ご近所の方に知られず、ひっそりと葬儀をしたいと思っている人にとっては、自宅での葬儀はそれを叶えられず、デメリットと言えるでしょう。
自宅で葬儀をしたいと思ったらどこに頼むのか?

自宅で葬儀をしたいと思ったら、どこに頼むのが正解なのでしょうか?
それは、どんな規模の葬儀をするかによります。
一つは、昔ながらの盛大な葬儀を自宅で行いたいという希望の場合。
もう一つは、なるべくコンパクトに費用をかけずに自宅で葬儀をしたいという希望の場合です。
自宅で盛大に葬儀をしたい場合の葬儀社選び
自宅で盛大に昔のような葬儀をしたいと思った時は、地元に昔からある葬儀社に依頼するのが良いでしょう。
昔からの備品を備えており、自宅葬儀の経験が豊富なスタッフがいる可能性が高いためです。
大手葬儀社なら大丈夫という訳ではありません。
特に最近は自宅での葬儀はほとんどなく、経験をしているスタッフは限られていると思った方が良いです。
また、大手葬儀社の場合、スタッフの入れ替わりも激しいため、自宅葬儀の経験がないばかりか、そもそも数年程度のキャリアしかないスタッフが大半という会社も珍しくありません。
自宅での葬儀は、飾りのための現地調査の能力や、飾り付けの能力、段取り力など、最近の葬儀場での葬儀しか経験のないスタッフにはハードルが高い能力が求められます。
また、小さな新興の葬儀社の場合も、最近はほとんど自宅での葬儀はないため、そもそも自宅葬儀用の備品を持っていないケースもあります。
かくいう、メモリアルホール川名も大規模な自宅葬儀に対応するだけの資材は持ち合わせておりません。
なるべくコンパクトに自宅葬儀をしたい場合の葬儀社選び
この場合は、どんな葬儀社に依頼しても問題ありません。
大きな祭壇や飾り付けの備品などを必要としない規模の葬儀の場合、たいていの葬儀社は対応してくれます。
もちろん、とは言え、スタッフに自宅葬儀の経験があるかないかは大きなポイントになってきますので、経験豊富なスタッフがいる葬儀社に依頼することは必要でしょう。
メモリアルホール川名では、業界数十年のベテランが在籍しておりますので、安心してお任せください。
自宅で葬儀のメリットデメリットについてのまとめ
いかがでしたでしょうか。
自宅で葬儀をするメリットデメリットを色々と解説してきましたが、全般にデメリットの方が多い事がお分かりいただけたと思います。
しかし、全てのデメリットが当てはまる訳ではないと思いますし、「自宅から送り出してあげたい」という想いが上回れば、後悔のないように自宅で葬儀をすることを選択するべきだと思います。
葬儀は、どんなカタチが正解というものはありません。
今までの常識にとらわれず、残された人が納得できるカタチで執り行えるのが、一番だと思います。