コラム・お知らせ
2021.9.11
仏壇の本尊の飾り方。宗派毎に違う両脇仏は何を置けば良いの?
ご自宅にお仏壇があるお宅もどんどん減っています。
しかし、実家などにはまだまだ仏壇があるというお宅も多いと思います。
この仏壇、一体何をどのように飾って良いのか分かりませんよね?
特に最近は仏壇の種類も非常に多岐に渡り、従来のような「ザ・お仏壇」という物だけでなく、家具調の物や、サイドボードの上などに設置する「上置きタイプ」、仏壇というイメージからは全くかけ離れた「手元供養」と呼ばれるものまで。
とにかく仏壇は大変な多様化を見せています。
さて、そんな仏壇に飾る仏具や本尊は、宗派によって異なります。
この記事では、仏壇が仏壇たる目的を果たす唯一の物「本尊」についてを中心に、宗派毎の飾り方について解説していきます。
昭和区で葬儀をお考えの方は、メモリアルホール川名にご相談ください。
目次
仏壇の本尊の飾り方【浄土真宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
浄土真宗では本格的な仏壇でも三段の構造のものが基本で、最上段にはご本尊・両脇仏・仏飯器を置き中段には六角供花・打敷・花立て・ろうそく立て・香炉、下段にはそれら以外の仏具を置く形となります。
また高杯の代わりに六角供花が用いられる点や、位牌の代わりに法名軸・過去帳を使用する点が特徴的です。
なお、真宗大谷派では八角の供花を用います。
そのほか、打敷は布の部分が四角ではなく三角のものを選びます。
ちなみに、従来では浄土真宗における仏壇は金仏壇が主流でしたが、現在ではモダンタイプや唐木タイプでも問題はありません。
金仏壇を選ぶ場合は、仏壇自体の造りが本願寺派と真宗大谷派で変わります。
浄土真宗の仏壇のご本尊と両脇仏は?
ご本尊と両脇仏には何を置けば良いのでしょうか?
続いては気になる部分について見ていきましょう。
さっそくですが、浄土真宗で信仰されるご本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)になります。
阿弥陀如来は特別な修行を経たことにより、念仏で故人を成仏させるという他力本願の力を持つとして有名な仏様です。
なお本願寺派と真宗大谷派ともにご本尊は同じで、仏像もしくは掛軸の阿弥陀如来を上段中央に飾ります。
ただし、造りは双方で若干異なるため注意が必要です。
具体的には仏像の場合、ご本尊の後光の下に大きな彫刻がされるのが本願寺派で、小さな彫刻がされるのが真宗大谷派となります。
掛軸の場合は後光の線の数が多い方が本願寺派で、少ない方が真宗大谷派となります。
そして、ご本尊の両隣りに飾るのが両脇仏となる掛軸です。こちらもやはり宗派で異なり、本願寺派では正面左に蓮如上人・右に親鸞上人を置き、真宗大谷派では左に九字名号・右に十字名号を配置します。
ちなみに、蓮如上人は8代目の浄土真宗の宗主で親鸞上人は宗祖です。
また九字名号は南無不可思議光如来を指し、十字名号は帰命尽十方無碍光如来を表します。
浄土真宗の仏壇のお供えの仕方
ここまで仏壇における仏具の置き方をご紹介しました。
ただそれを知ったからには、法要などの特別な日に置くお供えの仕方も気になるところでしょう。
浄土真宗では、どのようなお供えをして故人を供養すれば良いのでしょうか?
続いてはこの疑問について見ていきましょう。
まず、浄土真宗の大きな特徴として飲み物はお供えしません。
これは浄土真宗では故人がすでに浄土往生を叶えており、浄土には清らかで八つの徳が得られる八功徳水という飲み水が存在するとされるからです。
そのため、一般的に知られる五供から飲み物を抜いたお供えの仕方が正しくなります。
とはいえ厳格にタブーとされている訳ではありません。実際に、家庭によっては飲み物をお供えするところもあります。
全体的なお供えの仕方としては仏飯器に炊いたご飯を盛り、六角・八角供花には餅・果物・お菓子などをお供えする形となります。
ちなみにご飯の盛り方は宗派で変わり、本願寺派では山形に盛りますが真宗大谷派では円柱型に盛ります。
浄土真宗の飾り方についてまとめ
浄土真宗の仏壇の構成とともに、ご本尊や両脇仏についてご紹介しました。
浄土真宗では、ご本尊や両脇仏のほかに六角供花・法名軸・打敷などを飾るものでした。
なお、ご本尊には阿弥陀如来を掲げ本願寺派では蓮如上人・親鸞上人を両脇仏とし、真宗大谷派では九字名号・十字名号を両脇仏として飾る形でした。
また法要などにおけるお供え物は、基本的には飲み物を除く五供を供えるものでした。
仏壇は故人の第二のお墓であり、家族にとっても唯一身近な場所で供養できる場所となります。
ぜひ正しい仏具の置き方をマスターし、仏様の恩恵がしっかり受けられるような仏壇で故人を供養してあげてください。
仏壇の本尊の飾り方【臨済宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
仏壇は、「家の中にあるお寺」と言われることがあります。
毎日、仏様やご先祖様に対して手を合わせるための、いわば心のよりどころと言えるでしょう。
仏教の宗派ごとで、中心となる仏像(ご本尊)とその両脇に置かれる両脇仏(両脇侍とも呼ばれる)は変わってきます。
細かく分かれている宗派の中で、次は臨済宗のご本尊と両脇仏について解説します。
臨済宗の歴史
臨済宗は、栄西と言う僧侶によって、鎌倉時代初期に伝えられた宗派です。
妙心寺派、建仁寺派など14の宗派に分かれており、それぞれの宗派で本山が定められています。
坐禅に重きを置いている宗派で、ひたすら坐禅を行うことで悟りを実現すべく日々修行を行っているのです。
臨済宗では、弟子が修行を行うことで師匠から法を受け継ぐというスタンスをとっているため、特定の経典は決まっていませんが、般若心経や観音経、金剛般若経などが読まれています。
唱える言葉は「南無釈迦尼仏」であり、これは「私はお釈迦様に帰依します」という意味を持っています。
臨済宗のご本尊は釈迦牟尼仏
臨済宗の宗派が14に分かれていると先述しましたが、どの宗派もご本尊は共通して釈迦牟尼仏となっています。
臨済宗以外に、曹洞宗のご本尊も釈迦牟尼仏が祀られます。
釈迦牟尼仏とは、お釈迦様の別名であり、釈迦族の牟尼(聖者)という意味があります。
釈迦牟尼仏を仏壇に祀る際には、仏像と掛け軸、どちらを祀っても良いとされています。
この2つは、形は違いますが同じ役割を持っているため、仏壇の大きさや部屋の広さ、予算の兼ね合いなどで決めることが多くなっています。
仏像のサイズは、一般に使われているcmではなく、寸尺法で表記されていますので、慣れない場合に大きさの検討がつきにくいことがあります。
また、寸尺法の表記がされているサイズはご本尊の高さであり、実際の仏像のサイズは総高という表記で書かれています。
このため、総高の数字を確認し、できるだけ実物も目で見て確かめて、仏壇に収まるかどうかを確かめましょう。
また、仏壇と掛け軸のどちらを選択するかは、菩提寺によってはきちんと決められていることもあるため、購入前に確認しておくことをおすすめします。
両脇仏は宗派によって異なる
ご本尊と違い、臨済宗の両脇仏は14の宗派によって異なるため、宗派に合った両脇仏を選ばなくてはいけません。
最大の宗派と言われるのは妙心寺派ですが、前もって宗派を確認しておく必要があります。
妙心寺派では、ご本尊に向かって右側に開山無祖大使の影像・左側に花園法王の影像を祀ることが主流です。
仏具店での品揃えは、妙心寺派とそれ以外の宗派に分かれていることが多いので、最低でも妙心寺派かどうかを知っておくとスムーズに選ぶことができます。
妙心寺派以外では、ご本尊に向かって右側に達磨大師の影像・左側に観世音菩薩の影像を祀ることが多くなっています。
御本尊同様、具体的にどの両脇仏をお祀りするか、菩提寺に尋ねておきましょう。
また、仏像にするか掛け軸にするかという点も、ご本尊と同じです。
一般家庭の仏壇では、ご本尊に仏像・両脇仏に掛け軸を選ぶことを、店頭ですすめられるかと思います。菩提寺と相談しつつ、仏壇に合ったものを選びましょう。
仏壇の本尊の飾り方【日蓮宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
子供の頃、祖父母や親戚の家に行くと、仏壇が飾られている光景は、日本ではごく当たり前のものでした。
現代では、自宅に仏壇を置く機会が激減し、仏壇について深く知る機会も少なくなりました。
仏壇のどこに何をお祀りするのか・ご本尊と両脇仏の決まりなど、分からない方も多いかと思います。
次は、日蓮宗において、ご本尊と両脇仏に何を選んだらいいのか解説します。
日蓮宗とはどんな教えなの?
日蓮宗は、日蓮聖人によって鎌倉時代に開かれた宗派です。
日蓮聖人は、お釈迦様が説いた法華経を世に広め、当時混乱を極めていた国を治めようと尽力されました。
法華経は、お釈迦様の教えの集大成と言われており、28の章で構成されています。
この中で、一人ひとりが仏様になれるとし、「南無妙法蓮華経」を唱えることで自らの中にある仏の心を呼び覚まそうとしているのです。
現在、日蓮宗の寺院は祖山・霊跡寺院・由緒寺院・一般寺院の4つに分かれていて、宗制によって総本山・大本山・本山の称号を用いることが許されています。
日蓮宗のご本尊は大曼荼羅・両脇仏は鬼子母神と大黒天
日蓮宗の開祖が日蓮聖人ですので、仏壇に祀るご本尊も日蓮聖人と思われる方がいらっしゃいますが、実は違うのです。
日蓮宗のご本尊は大曼荼羅となります。
他の宗派では、ご本尊は仏像様なのですが、日蓮宗は独特の風習があるため覚えておく必要があります。
曼荼羅とは、仏様を文字や梵字で表したものを言います。日蓮聖人が描いた曼陀羅のほとんどが、総本山である身延山久遠寺で執筆されたと言われています。
大曼荼羅の両脇に祀る両脇仏は、向かって左側に大黒天・右側に鬼子母神を祀るのが一般的ですが、地域によって位置が反対になることもあります。
大黒天は、七福神の一人であり、飲食を司る神様だと言われています。
また、鬼子母神は安全祈願の神様として崇められています。どちらも仏教の教えにより日蓮宗の守護神となったため、両脇仏として祀るのです。
場合によって、向かって左側に釈迦如来、右側に多宝塔や多方如来を祀るケースも見受けられます。
日蓮宗の仏壇の祀り方
日蓮宗のご本尊が大曼荼羅であっても、開祖は日蓮聖人ですので、仏壇には日蓮聖人もお祀りします。
大曼荼羅の前に日蓮聖人が来るように配置しなくてはいけませんし、日蓮聖人の仏像があまりにも大きいと、大曼荼羅が隠れて見えなくなってしまいますのでバランスを考える必要があります。
一般的に、大曼荼羅の掛け軸を中央に掛け、その前に日蓮聖人の仏像を置くのが正しい祀り方とされています。
購入時には、仏壇とのバランスを考えて最適なサイズを選ぶようにしましょう。
仏壇のサイズが小さく、仏像を置くことが難しい場合には、置かなくとも問題ありません。
その他の道具の祀り方は、他の宗派とほとんど変わりません。
最低限必要な仏具は、花立・火立・香炉の三具足です。花立と火立が2つずつになったものを五具足と言いますが、仏壇のサイズによってどちらかを選べば大丈夫です。
上段中央にご本尊の大曼荼羅、その前に日蓮聖人の仏像を祀り、ご位牌はひとつ下の段もしくは上段の外側に安置します。
中段に仏飯器と茶湯器、下段に三具足(もしくは五具足)とリンを揃えれば完成です。
仏壇の本尊の飾り方【天台宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
仏教の宗派は、教義によって細かく分かれています。
仏壇にお祀りするご本尊と両脇仏も宗派によって異なるので、正しい仏像を祀らなくてはいけません。
仏壇が自宅にある生活を送る人が減っている中で、仏壇の配置について良く分からないと不安に思われる方もいるでしょう。
それでは次に、天台宗に焦点を当て、天台宗の仏壇に安置するご本尊と両脇仏について解説します。
天台宗はどんな宗派なの?
天台宗の歴史は、西暦806年(延暦25年)にさかのぼります。
伝教大師であった最澄によって開かれた宗派で、教えのひとつに「自分自身が仏であることに目覚めましょう」というものがあります。
悟りに至るまでの道をどのように切り開くかを考え、それを探し続ける心を持っていれば誰もが平等に悟りにたどり着けると、最澄は説いています。
比叡山延暦寺を総本山とし、中尊寺も東北大本山にあたります。
主な経典は法華経ですが、「朝題目に夕念仏」との考えがあり、夕方のお勤めでは阿弥陀経を中心として進められます。
唱える念仏は「南無阿弥陀仏」ですが、「南無宗祖根本伝教大師福聚金剛」と唱えるのが正式です。
天台宗のご本尊は阿弥陀如来を祀ることが多い
天台宗では、特定のご本尊が設けられていません。
これは、本仏(永遠の仏様)があらゆる仏様に姿を変えて人々を救っているという教えに基づくものです。一般的に祀られることが多いご本尊は阿弥陀如来ですが、総本山の根本中堂では薬師寺如来が祀られています。
釈迦牟尼仏や観世音菩薩、不動明王、毘沙門天などが祀られることもあり、実に多種多様なのが天台宗の大きな特徴です。
阿弥陀如来は、天台宗以外の宗派でも祀られますが、天台宗で阿弥陀如来を祀るときは、座った状態の仏像(座弥陀像)を選びましょう。
両脇仏は伝教大師と天台大師
ご本尊をお守りする両脇仏には、左側に伝教大師(最澄)・右側に天台大師を祀ります。
天台大師とは、中国における天台宗の開祖とされる智顗のことを言います。
この2つの両脇仏は、デザインがとても似ているため、見分けがつきにくいかも知れません。
正しい置き方は、安置したときにご本尊の方向を向いている状態となります。
ご本尊と両脇仏のどちらを仏像にして、どちらを掛け軸にするかというルールはありません。
予算や安置スペースに応じて決めていただければ問題ないのですが、一般的にはご本尊を仏像にする方が多くなっています。
仏像の買い替え時にはサイズに注意
初めて仏像を購入するときは、サイズを選ぶのに慎重になるかと思いますが、気をつけたいのは買い替えをするときです。
それまで安置していた仏像と同じサイズを買っても、デザインによっては全体のサイズが大きく異なる可能性があります。
表示されているサイズは、仏像本体のサイズであり、これに台座や光背が加わったものが仏像全体のサイズとなります。
仏像によっては、同じ寸尺表示のものでも全体の高さが10cm以上違うものもあります。
仏壇に入らなくなってしまうのを防ぐために、きちんと測定したうえで購入したいものです。
また、色目が近い仏像を購入した方が、他の仏具と色合いのバランスが取れるでしょう。さらに、閉眼供養と開眼供養も忘れずに行いましょう。
仏壇の本尊の飾り方【曹洞宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
仏教には色々な宗派があり、仏壇の飾り方は宗派ごとに違いがあります。
自分の家が曹洞宗のお寺を菩提寺に持つ場合や曹洞宗で葬儀を行った場合については、基本的に仏壇は曹洞宗式で用意することになります。
さて、曹洞宗では本尊や両脇仏に何を祀るのでしょうか。仏壇の決まり事をご存知ない方も多いものと思います。
曹洞宗の仏壇について、特にご本尊や両脇仏の祀り方を中心に解説してまいります。
仏壇にも上座下座がある
伝統的な昔ながらの仏壇、現代風仏壇など仏壇にも色々な造りがあります。
仏壇の造りは色々であっても、仏壇の中にある上座下座の考え方は一緒です。
部屋に上座下座があるように、仏壇の中にも上座下座があるのです。
基本的に上下の上、左右真ん中の真ん中、手前奥の奥が、より上座にあたります。
したがいまして、仏壇の中で言えば上の真ん中、かつ奥の部分が最も上座の位置にあり、ここに仏壇にとって最も重要なものを備えます。
曹洞宗式の仏壇に備えるものの基本
曹洞宗で仏壇に供えるものは、ご本尊、位牌、お供え物、三具足です。
曹洞宗の公的案内では本尊だけでも良いとされていますが、ご本尊の左右に両脇仏(曹洞宗では両祖と言います)を安置することもあります。
また三具足とは香炉、花立て、ロウソク立ての一式を意味します。
曹洞宗のご本尊には何を祀れば良い?
曹洞宗ではご本尊として釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)を祀ります。
釈迦牟尼仏とは、古代インドの地で仏教そのものを開いたお釈迦様の姿を表したものです。
お釈迦様の仏像でも悟りを開き仏になる前の姿を表したものもありますが、仏壇には飾るのは悟りを開いたあとの姿を示したお釈迦様です。
ご本尊の両脇には?
ご本尊の両脇には脇侍(わきじ)として、向かって右側に道元禅師(どうげんぜんし)、向かって左側に瑩山禅師(けいざんぜんし)を祀ります。
道元禅師は中国から仏教の教えを持ち帰り、日本で曹洞宗を開いた僧侶です。
一方、瑩山禅師は曹洞宗の中興の祖と言われ、曹洞宗を全国に広めることに多大な貢献をし、曹洞宗の礎を築いたとされる僧侶です。
道元禅師を高祖、瑩山禅師を太祖として曹洞宗では、この二人を両祖として仰いでいます。
お供えにも決まりがある
曹洞宗では仏壇へのお供え物について「曹洞宗行持規範」によって決められています。
お供えするのは、香、花、灯燭(とうしょく)、浄水、飲食(おんじき)です。
これら5つのお供えのことを五供(ごくう)と言います。
この中で灯燭はロウソク、飲食はご飯(炊いた米)、お茶、菓子類、果物などのことを意味します。
仏像と掛け軸どちらが良い?
仏像と掛け軸どちらが良いとか悪いという違いはありません。
曹洞宗の公的案内にあるように、一般的にはご本尊のみ仏像か掛け軸でお祀りすることが多いようです。
ご本尊を仏像でお祀りした場合には、脇侍を掛け軸でお祀りすることもあります。
仏壇内には、ご本尊や脇侍のほか、位牌やお供え物などを備えることも必要ですから、仏壇内部のスペースも考えつつ、バランスを見て選択していただくと良いでしょう。
曹洞宗の仏壇についてのまとめ
曹洞宗の仏壇について、特にご本尊や両脇仏の祀り方を中心に解説してまいりました。
曹洞宗では、ご本尊に釈迦牟尼仏、脇侍として向かって右側に道元禅師、向かって左側に瑩山禅師を祀ります。
仏壇の中には上座下座の考え方があり、上位の位置が決まっていますので、最も上位の位置にご本尊を祀ります。
曹洞宗式の仏壇を用意する場合には、上記の内容を参考にして頂ければ幸いです。
仏壇の本尊の飾り方【真言宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
葬儀、法要、お墓など仏事は分かりにくいことが多いものです。
真言宗で葬儀や法要を行えば、仏壇を用意する際、真言宗の決まり事に従って行うことになります。
真言宗の場合、仏壇はどのようにすれば良いのでしょうか。
ご本尊は何をどのように祀(まつ)れば良いのでしょうか。
ここからは真言宗の仏壇について、特にご本尊や両脇仏の祀り方を中心に解説してまいります。
真言宗の仏壇に備えるものの基本
真言宗の仏壇に備えるものについて、上位の位置に備えるべき順番に紹介してまいります。
本尊、両脇仏、位牌、香炉やロウソク立てなどの仏具が挙げられます。
その他、ご本尊や脇侍、ご先祖様へのお供え物を上げる仏飯器、茶湯器、高坏を用意します。
真言宗では両脇仏のことを脇侍(わきじ)と言い、脇侍とはご本尊を援護する存在である役割を担う明王や菩薩などが該当し、ご本尊の両脇に祀ります。
御本尊には何を祀れば良い?
真言宗ではご本尊として大日如来(だいにちにょらい)を祀ります。
祀る位置は仏壇の最も上位の場所です。
真言宗では大日如来を最高の仏と位置付けています。
そして、その他の仏は布教を行うため、人々を導くために大日如来が一時的に姿を変えて現れたものという考え方をします。
真言宗の場合、御本尊の両脇には?
大日如来に向かって右側には弘法大師(こうぼうだいし)を祀ります。
弘法大師は真言宗の開祖である空海の別名です。
阿弥陀如来の左側には不動明王(ふどうみょうおう)もしくは興教大師(こうぎょうだいし)を祀ります。不動明王は大日如来とはまた違った角度から人々を導き救ってくださる力を持っていると言われます。
大日如来が母性的導きだとしたら、不動明王は父性的導きを行うイメージです。
また興教大師は真言宗の中興(ちゅうこう)の祖と言われる僧侶です。
なお、弘法大師も不動明王または興教大師も、大日如来の高さを越えて祀ることのないよう注意が必要です。
真言宗は様々教団に分かれている
実は真言宗と言いましても、高野山、智山派、豊山派等々いくつかの教団に分派しています。
各教団の考え方によって仏壇に何を祀るかは異なることがあります。また寺院によっても祀る本尊が違うことがあります。
これは、ひとつに真言宗では他の仏は全て大日如来が姿を変えたものという考え方が影響しているものと言われます。
したがいまして仏壇を用意する際には、菩提寺やお付き合いのある寺院に何をどう祀るべきか確認した方が無難です。
真言宗の仏壇の飾り方についてまとめ
真言宗の仏壇について、特にご本尊や両脇仏の祀り方を中心に解説してまいりました。
真言宗では本尊に大日如来、両脇仏(脇侍)に弘法大師、不動明王または興教大師を祀ります。
仏壇の内部にも上座、下座がありますので、本尊を最も上座の位置に祀ります。
ただし、真言宗では教団や寺院によって何を祀るのか異なる場合がありますので、菩提寺やお付き合いのある寺院に、何を祀るべきか仏壇を用意する前に確認を行っておくと良いでしょう。
仏壇の本尊の飾り方【浄土宗編】本尊と両脇仏は何を置くの?
仏壇は頻繁に買い替えるものではなく、一度購入すると数十年にわたって私達を見守って下さる、仏様の安置場所です。
仏教の各宗派には、ご本尊と両脇仏が定められているので、宗派に沿った仏像もしくは掛け軸を用意する必要があります。
最後に、浄土宗の仏壇で配置するご本尊と両脇仏についてご説明します。
浄土宗とはどんな教え?
浄土宗は、法然上人によって開宗された宗派です。
「阿弥陀仏」という念仏を唱えることで、極楽浄土へ往生することを願う教えであり、仏様に導いていただけるようにひたすら心から唱えます。
厳しい修行を積むのとは違い、念仏を唱えるだけで救われるという、誰もが実践できる修行法であることから、大衆化されたと言われています。
教えのよりどころとされる経典は「浄土三部経」と言い、阿弥陀経・観無量寿経・無量寿経の3つから成り立っています。
それぞれの経典の中で、極楽浄土がどんなところか、極楽浄土へ往生する方法、ご利益などが示されているのです。
総本山は、京都にある知恩院で、正式名称は華頂山知恩教院大谷寺と言います。
法然上人のご遺骨もこの知恩院に奉安されていて、毎月25日の月命日には念仏会が開かれます。
ご本尊と両脇仏は何を選んだらいい?
浄土宗の念仏にもあるように、ご本尊は阿弥陀如来(阿弥陀仏)です。
他にも、ご本尊を阿弥陀如来としている宗派がありますが、浄土宗では背中の飾りが舟の形に見える「舟型光背」をつけた如来を祀ります。
立像を祀るのが本来の方式ですが、座っている仏像(坐像)や、「南無阿弥陀仏」と書かれた掛け軸でも問題ないとされています。
立像は、阿弥陀如来が私達を救って下さる姿、坐像は私達が極楽浄土に着くのをお待ちになっている姿を、それぞれかたどっています。
ご本尊・両脇仏とも、仏像と掛け軸がありますが、どちらも同じ意味を持っています。仏像の方が、サイズが大きくなる傾向が見られますが、実物を見た上で仏壇のスペースをふまえて購入しましょう。
両脇仏は「脇侍」とも呼ばれ、ご本尊を助ける役割を持っています。
浄土宗では、両脇仏として右側に観音菩薩・左側に勢至菩薩を祀ります。
それぞれ、阿弥陀如来の慈悲の徳と知恵の徳を意味しており、阿弥陀三尊と呼ばれています。
もしくは、右側に善導大師・左側に法然聖人を祀ることもあります。
場合によっては、これらすべてを仏像として祀ることもあるので、菩提寺に相談した方が安心です。
仏壇の本尊の飾り方についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。
同じ仏教ではありますが、各宗派、共通する部分もあれば、それぞれの宗派毎に異なる部分もあるという事がお分かりいただけたと思います。
それぞれご自分の信仰する宗教・宗派にのっとった仏壇を用意し、先祖供養をしていけると良いですね。