コラム・お知らせ
2022.5.10
清め塩の意味と葬儀で使うタイミングとは?名古屋でも使うの?
通夜や葬儀に参列すると、受付時あるいは式の終わりに特別な塩を受け取る場合があります。
これは清め塩と呼ばれるもので、自分自身に使用することである効力を得られるのです。
では具体的にどのような効力が得られるのでしょうか?また、いつどのように使用すれば良いのでしょうか?
今回は、葬儀で受け取る清め塩に関する疑問を解決いたします。
この記事を読んでいただくことで、清め塩の重要性を知っていただけるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
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葬儀の清め塩の意味
清め塩といっても、一見すれば単なる塩にすぎません。
そんな塩を使用することには、いったいどのような意味があるのでしょうか?
実は清め塩は、神道の死に対する考え方から由来しています。
神道では死を穢れととらえ、それを目の当たりにする葬儀に参列することによって、参列者たちにも死者の穢れが移るとされるのです。
つまり清め塩は、葬儀で背負ってしまった穢れを落とすといった意味で用いられるものなのです。
ただし用いるのは一般の参列者のみであり、故人の家族や親族の方は基本的には使用しません。
やはり家族や親族の場合は、故人の死を忌み嫌うのではなく受け止めてあげる方が良いとされるためです。
とはいえ葬儀後には神様に穢れを移さないよう神棚封じを行い、忌明けまでの期間は様々な行動を制限すべきとされております。
ちなみに塩に穢れを祓う効力があるとするのは、神様として信仰されるイザナギがイザナミを葬る際に海水にて清めたとされているからです。
ほかにも保存食で用いられる通り塩には殺菌効果があり、その点から穢れも取り除けると信じられ用いられるようになったという説も存在します。
葬儀において清め塩を使うタイミングは?
清め塩は、然るべきタイミングで使用しなければ適切な効力は得られません。では、葬儀のどのタイミングで使用すれば良いのでしょうか?
さっそくですが、これは通夜に参列する場合と葬儀・告別式に参列する場合で異なり、通夜では自宅に帰宅した際、葬儀・告別式では火葬を終えたときに使う形となります。
より詳細には、帰宅時においては自宅に入る前に清めを行います。
自宅に入ってしまえば、自身の穢れが自宅内に侵入し家族にも移してしまうことになるため、自宅前でのお清めが望ましいと言えるのです。
また葬儀・告別式においても帰宅した際に行う形でも良いのですが、現代では火葬後に初七日法要を営むことが多いため、火葬を終え再び式場に戻るときにお清めをするのが適します。
なお、火葬した時点で故人の穢れは受けなくなると考えられることから、式場でのお清めは効力的にも問題はありません。
清め塩の使い方
ここまで清め塩の効力とタイミングをご紹介しましたが、肝心の使い方を知らなければ意味がありません。
実際に使用する際には、どのように扱えば良いのでしょうか?
極論をいえば、清め塩は自身の身体に満足のいく形で振りかけるだけで構いません。
しかし一般的に行われる方法も存在します。
その方法としては胸・背中・肩・脚の順に塩を振りかけたのち、足元に塩を撒き、それをしっかり踏むといった手順となります。
この方法を取ることで、上半身から足にかけて無駄なく穢れを取り除くことができるのです。
なお、清める前には手を洗うのがより正しい方法とされます。
ただ、自宅前には水場がないことがほとんどであったり、水気を帯びた手では塩を上手く撒けなくなったりするため省略してしまっても問題ありません。
そのほか清め塩が余った場合は、そのまま一般ゴミとして捨てましょう。清め塩は基本的に非食用であり、仮に料理に使用できても縁起が悪いので避けるのが無難です。
清め塩を用いない場合もある
塩で穢れを祓う行為は、神道独自の考えから誕生した行いです。
そのため神道以外の葬儀では、そもそも清め塩を用意しないことも珍しくありません。
なお仏教では、神道のように死を穢れととる風習はありません。
死は自然に訪れるものであり、生存している人は死者を悼み供養をし続けるべきといった考え方を持っております。
つまり、宗教的にも見ても葬儀で身を清める必要は全くないのです。
とはいえ、神道と仏教は古くから互いの慣習を取り入れてきております。
また、仏教の葬儀とはいえ神道の方が参列することも十分考えられます。
これらの点から、仏教でありながら清め塩を用いるというのもさほど不自然なことではないでしょう。
ただし日本で一番メジャーな浄土真宗では、宗派による独特な考え方から適さないとし用いることはありません。
清め塩は名古屋でも使うの?
葬儀には様々な地域性があるということは、皆さんもご存知だと思います。
そして清め塩にも同様に地域性があるのでしょうか?
名古屋市では清め塩についての習慣は、その他の地域とあまり変わりがありません。
そのため、返礼品に礼状と一緒に差し込んだり、式場の入口付近に用意されたりしていることが多くみられます。
また、この地域でも昔から清め塩を用いる習慣があったため、宗教や宗派によって異なる清め塩への考え方はさておき、「とにかく清め塩が欲しい」と言われる高齢の方も多く、ほとんどの葬儀場で当たり前のように用意されているようです。
ただ、近年は家族葬の増加によって葬儀そのものに参列する機会も少なくなり、清め塩の習慣を知らない方も増えています。
そのため、葬儀社によっては清め塩を常備しないところもあるようです。
ちなみに、そうした葬儀社であっても清め塩が用意していない、ということはないと思いますので、もしあなたが清め塩が欲しいと思われたら、葬儀場スタッフに確認してみると良いでしょう。
今回のまとめ
今回は、清め塩の意味や使用するタイミングなどを解説しました。
清め塩は神道独自の文化で誕生し、参列者が死者の穢れを祓うために用いるものでした。
また使用するタイミングは通夜では自宅前・葬儀では火葬後が適し、具体的な使用方法は胸・背中・肩・脚に振りかけ最後に足元に撒いて踏むという手順になります。
そのほか清め塩を用いるのは主に神道のみで、仏教などの葬儀ではあまり用いられませんでした。
清め塩を使うのはあくまでも神道独自の慣習であり、故人の死のとらえ方は宗教によって大きく異なります。
葬儀で受け取った場合は、信仰する宗教や自身の考え方に従って使用するようにしましょう。