コラム・お知らせ
2021.11.15
遺体搬送とは?葬儀社に遺体搬送を依頼する時の流れと注意点を解説。
2021/11/15 更新
身内が亡くなられたとき、病院や施設にいらっしゃる場合が一般的です。
もちろん、ご自宅で亡くなられる場合もあるのですが、圧倒的に病院や施設でお亡くなりになるケースの方が多いのです。
そうした場合、いつまでも病院や施設に遺体を置いて置くわけには行きませんので、早めに遺体を移動させなければいけません。
特に、多くの病院では、あまり長時間遺体を置かせてくれませんので、なるべく早く移動するように要請されます。
メモリアルホール川名のある昭和区周辺の病院も、大半がそのような対応になるようです。
しかし、何も知らずに遺体の移動をしようとすると、取り返しのつかない失敗につながる場合もあります。
この記事では、葬儀社に遺体搬送を依頼する時の流れや注意点を解説していきます。
あなたが大切な家族の遺体搬送で失敗しないように、ぜひ最後まで読んでいただければと存じます。
この記事で分かること
- 遺体搬送業務の内容
- 遺体搬送を依頼するときの注意点
- 遺体搬送は自分達でもできないことはない
昭和区で家族葬をご希望の方はメモリアルホール川名にご依頼ください。
目次
遺体搬送業務とは?
まず、そもそも遺体搬送業務とはどんな物なのでしょうか。
遺体搬送とは、病院や施設などでお亡くなりになられた方のご遺体を、自宅や葬儀場などご希望の場所まで搬送する業務になります。
基本的には、葬儀社のスタッフが葬儀の依頼を受け遺体搬送の業務を行うケースが一般的です。
遺体搬送業務を専門としている業者さんが遺体搬送を行う場合もありますが、この場合も、遺体搬送だけを行うのではなく、葬儀の依頼を受けた葬儀社からの発注によって、遺体搬送専門業者さんが搬送業務を行うケースがほとんどになります。
病院にはミニバンの後部を改造してストレッチャーが積載できるようにした「寝台車」と呼ばれる車両で行きます。
そして、病院に到着したら、ストレッチャーを降ろし、病室や病院の霊安室にお迎えに行きます。
その後、病院のベッドや安置台からストレッチャーにご遺体を移し、寝台車に載せます。
この時、寝台車に身内が同乗することが出来ますが、基本的には1名しか乗れない場合が多いでしょう。車両の種類によっては2名乗車できる場合がありますが、希望される場合は、搬送の依頼時に予め確認が必要です。
自家用車の都合で、誰も同乗しない場合は、寝台車の運転手さんに「死亡診断書」を預けるようにします。
その後、自宅や葬儀場など、ご家族の希望する場所まで搬送を行い、目的の場所にご遺体を安置します。
ここまでが遺体搬送業務となります。
遺体搬送をする方法3選をご紹介
遺体搬送の内容についてはお分かりいただけたと思います。
次に、遺体搬送をする方法について3つの方法と、内容について解説致します。
遺体搬送には、次の3つの方法があります。
①葬儀社に依頼する
②搬送専門会社に依頼する
③自分達で運ぶ
遺体搬送をする方法①葬儀社に依頼する
通常、病院など施設で亡くなられた場合、遺体搬送を依頼するというより、葬儀を依頼すると遺体搬送をしてもらえる、というケースがほとんどです。
この場合、あまり悩む必要もなく、葬儀を依頼したいと思った葬儀社に連絡すれば、病院や施設などに寝台車で迎えに来てくれます。
遺体搬送をする方法②搬送専門会社に依頼する
遺体搬送を搬送専門会社に依頼する方法は、ちょっと稀なケースと言えます。
このケースでは、葬儀社や葬儀場をどこに依頼するか決まっていない場合や、地元の葬儀社や葬儀場ではなく、遠方の葬儀社や葬儀場で葬儀をする場合が多いでしょう。
多くの場合、遺体搬送業務と葬儀を執り行うことはセットになっているため、あまり別々に依頼することはありません。
しかし、葬儀をする場所や依頼したい葬儀社が決まっていない場合は、とりあえず搬送専門会社に搬送だけしていただく事も可能です。
遺体搬送をする方法③自分達で運ぶ
かなりレアケースではありますが、稀に自家用車でご遺体を搬送される方がいらっしゃいます。
ちなみに、自分の車で遺体を搬送することは、法律的には問題ありません。
注意点などもちろんありますが、詳しくは後述いたします。
遺体搬送は有料?無料の場合もあり。
遺体の搬送は有料なのでしょうか?
もし有料だとしたら、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
実は遺体搬送の料金は、無料であることが一般的です。
その理由は、葬儀社に依頼した場合は「葬儀料金に含まれている」ケースが多いからです。
もちろん、深夜の搬送業務や、葬儀社の規定の距離を越えた場合は有料になるケースもあります。
また、同一市内の場合は無料としている葬儀社も多くあります。
ちなみに、昭和区の家族葬・一日葬・直葬 メモリアルホール川名では、同一市内の搬送は無料とさせて頂いております。
遺体搬送が有料の場合とは
遺体搬送が確実に有料の場合とは、次のケースになります。
・搬送専門会社に搬送だけ依頼した場合
・葬儀社に搬送を依頼するが、葬儀はその葬儀社では行わない場合
・葬儀社に搬送を依頼したが、規定の距離を越えた場合
以上のケースでは、搬送料金は有料になります。
有料の場合、搬送料金はいくらくらい?
遺体搬送を依頼すると、実は「搬送」の料金だけで済みません。
ご遺体を運ぶだけとはいえ、御身体だけ運ぶことは出来ませんので、次のようなアイテムが必要となります。
・基本料金
・遺体搬送用の担架布団
・ドライアイス
・防水シーツ
・(長距離の場合)お棺
以上のような物が含まれた上で、距離や時間によって料金が異なってきます。
料金は葬儀社や搬送専門会社ごとに設定されており、全国の業者さんによって異なりますが、一番短い距離でも総額で3~4万円の料金となることが普通です。
深夜帯や距離が伸びれば、それだけ割増料金となります。
概ね、10キロ毎に数千円程度の追加料金となりますが、50キロを超えるような長距離や空路を使うようなケースだと金額が大きく変動する場合があります。
また、搬送だけを葬儀社に依頼する場合、搬送専門業者さんより割高になるケースが多いでしょう。
葬儀社に遺体搬送だけ依頼することはできるの?
葬儀はお願いしないけど、搬送だけを葬儀社に依頼することもできます。
と言うより、搬送専門業者さんはあまり多くなく、特に地方都市ではそもそも存在しないことも珍しくありません。
そうした地域であれば、例え最初から搬送だけの依頼であっても、葬儀社に依頼せざるを得ないこともあります。
ちなみに、ほとんどの葬儀社では搬送だけの依頼も受けてくれます。
ただし、あまりに遠方までの搬送の場合は、断られるケースもありますし、もしかしたら出発地の葬儀社に搬送を依頼するより、搬送先(葬儀を依頼する)の葬儀社に来てもらった方が良い場合もあります。
搬送依頼を断られる場合とは、搬送してもらう距離や依頼する時間、依頼した葬儀社に人的・車両的な余裕があるかないかによって変わってきます。
そのため、どうしても葬儀社に遺体搬送だけを依頼しなくてはいけない場合は、病院や施設に事情を説明し、少し時間的猶予をもらってください。
葬儀社に遺体搬送だけをお願いする場合の注意点については、次の項で詳しくご説明いたします。
葬儀社に遺体搬送を依頼する時の注意点とは
葬儀社に遺体搬送だけを依頼しなくてはいけない事情がある時は、次の項目に注意して依頼をするようにしましょう。
①遺体搬送だけを受けてくれるか?
②遺体搬送料金の確認
③搬送先の葬儀社に確認
④棺の要・不要についての確認
それぞれ詳しく解説します。
①遺体搬送だけを受けてくれるか?
そもそも遺体搬送だけでも受けてくれるかどうか確認しましょう。
葬儀社の規模によっては、搬送に対応する人員や車両に限りがあります。
葬儀が伴う受注であればもちろん受けてくれるのが普通ですが、葬儀の受注がない場合は、搬送だけに人員や車両を回せないケースもあります。
葬儀社にとって一番利益が大きいのは、やはり葬儀本体の部分です。
搬送業務だけでは利益が少ないのはもちろんですが、スタッフを搬送だけに拘束されて葬儀業向の人手が足らなくなってしまうのは大問題なのです。
大きな葬儀社で、人員も車両も余裕がある場合は搬送業務だけでも受けていただけると思いますが、そうでない場合は、搬送業務だけでは依頼を受けられないケースもあるのです。
そのため、まずは「遺体搬送だけ」でも受けていただけるかどうか確認しましょう。
②遺体搬送料金の確認
次に確認しなければいけないのが、搬送料金です。
お迎え先から搬送先の距離がわかる情報を葬儀社にお伝えし、見積りを出してもらうようにしましょう。
例えばあなたがA県〇市の△△病院にいるとします。
目的地はB県□市○○町123番地にある実家です。
この場合、搬送を依頼する葬儀社に
「A県〇市の△△病院からB県□市○○町123番地まで搬送してください。」
このように伝えればOKです。
また、搬送していただく時間に融通が効く場合は、夜間ではなく日中に搬送していただくように設定しましょう。
深夜時間は搬送料金が割高になりますので、それを避けるためです。
もちろん、病院や施設の都合で「なるべく早く移動してください」と言われてしまうかもしれません。
その場合は仕方ありませんが、病院や施設、そしてあなた方ご家族の都合が付くのであれば、日中の搬送を依頼すると良いでしょう。
また、前述したように、遺体搬送は搬送料金だけではありませんので、付随する物品や手数料なども含めた合計金額を確認するようにしてください。
もし、「ちょっと高過ぎないかな?」と思われた場合は、別の葬儀社に相見積もりを依頼するのも良い方法です。
状況が状況だけに、なかなか複数の葬儀社に確認する余裕はないかもしれませんが、思わぬ費用がかかってしまう事を避けるために、ご家族で手分けして確認しても良いと思います。
③搬送先の葬儀社に確認
出発地の葬儀社ではなく、葬儀を依頼する搬送先の葬儀社に「迎えに来てもらう」のも一つの方法です。
また、この場合は、搬送する葬儀社は葬儀の依頼を受けることができるため、搬送料金を大きく削減することが可能な可能性があります。
搬送料金とは、全国一律の料金制度ではありません。
それぞれ緑ナンバーの寝台車を所有する業者さんが、独自の価格設定をしています。
葬儀の依頼がある場合は、搬送料金のサービスがあるかについても葬儀社によって異なりますので、必ず割引があるとは限りませんが、葬儀を依頼する葬儀社が決まっているのであれば、必ず確認するようにしましょう。
デメリットは、出発地の葬儀社に依頼する場合は、比較的早い時間で出発できるのに対し、搬送先の葬儀社に来てもらう場合は、お迎えの寝台車が到着するまで時間がかかるという点でしょう。
病院や施設に、いつまでご遺体を安置していただけるか確認し、条件の合った方に依頼するようにすると良いと思います。
④棺の要・不要についての確認
特に長距離の搬送の場合は、搬送していただく業者さんから「棺に入れないといけません」と言われる場合があります。
これは、正当な理由とそうでない理由とあります。
まず、正当な理由です。
ご遺体を搬送するには、御身体のままストレッチャーに載せて搬送する方法と、棺に納めて搬送する方法とあります。
安定感が良いのは間違いなく棺に納めてからの搬送です。
もし、ご遺体から体液などが漏れ出した場合にも、棺の状態であれば臭いや汚れを抑えることが可能です。
ですから、同一市内や隣接する市町への搬送程度なら問題ありませんが、それ以上長距離の搬送の場合は、棺に納めて搬送する方が望ましいのも間違いありません。
一方、葬儀を依頼せずに搬送だけを依頼する場合は、棺の単価は通常かなり割高に設定されます。
また、搬送先の葬儀を依頼する葬儀社も、棺がないからと言って減額してくれるとは限りません。
どちらが正解・不正解、棺が必要と言われたら必ず悪徳業者という訳でもありませんが、それぞれ理由や料金をしっかり確認して、納得できる方法で搬送をしてもらいましょう。
遺体搬送を自分達で行う場合の注意点とは
とっても稀なケースではありますが、遺体搬送を自家用車を使って自分でされる方もいらっしゃいます。
ちなみに、このように遺体搬送を自分の車で行うことについては、基本的に特に問題はありません。
ただし、事件性を疑われることがないように、必ず医師に書いてもらった死亡診断書または死体検案書を携帯するようにしてください。
では、自分達で遺体搬送を行う場合の注意点について解説致します。
フルフラットになるワゴン車かミニバンがオススメ
当たり前の話で恐縮ですが、ご遺体は自分でシートに座ってくれません。
また、シートベルトくらいでは身体を固定することはできず、走行中に倒れてしまいます。
そのため、基本的には「寝かせて」車に載せなければいけません。
それが可能な、後部座席の背もたれを倒すと荷室がフラットになるワゴン車か、ミニバンタイプの比較的大型な車両がオススメです。
体液や汚水の漏れ出しに注意
病院などで施していただける死亡後の処置(エンゼルケア)で、体の穴に脱脂綿など詰め物をしていただけることが普通ですが、近年、病院によっては行わないケースもあるようです。
また、仮にしっかりとそうした処置がしてあったとしても、漏れ出すケースは非常に多くあります。
葬儀社や搬送会社などプロに依頼する場合は、遺体搬送用の担架布団を利用して、なるべくご遺体を水平なまま動かさずに移動が可能なストレッチャーで搬送します。
そのため、ひどく体液などが漏れ出すことは少ないのですが、それでも100%防ぐことはできません。
そうしたアイテムや専用車両ではない場合、体液・便・尿などが漏れ出す可能性は避けられません。
そのため、どうしても自家用車で遺体の搬送をする場合は、前述したようになるべくフラットにして寝かせてあげられる車両を利用し、防水(吸水)シートなどを敷き詰めてからご遺体を載せると良いでしょう。
結論、自家用車での遺体搬送はおススメしない
以上の理由から、自家用車での遺体搬送はおススメしません。
また、実際に車に載せる時、そして降ろす時もかなりの労力を必要とします。
普通の車は「自分で乗り込んで自分で降りる」前提でしか作れていません。
また、プロに依頼しない場合、搬送先に着いてから、どのように降ろせば良いのか、どこに安置するのが良いのか、どのように安置しておけば良いのかも分からないと思います。
法律的には問題ありませんし、実際に私の経験では1000件に1件くらいの割合で、自家用車で搬送される方がいらっしゃいます。
そのため、「絶対に無理です」とは言いませんが、決してオススメできる方法ではありません。
ぜひ遺体搬送はプロに任せるようにしましょう。
遺体搬送の時にスタッフに心付けは必要か?
基本的には不要です。
ただし、一昔前は、割と多くの方が冠婚葬祭のスタッフには心付けを渡す習慣がありましたし、地域によっては未だにそうした文化が残っている所もあります。
しかし現在では、多くの葬儀社や搬送会社はそうした心付けを不要と明言していますし、スタッフに受け取りを禁止している会社もあります。
ですから、搬送スタッフに対する心付けは、基本的には必要ないと考えても良いでしょう。
もし出されるのであれば、病院や施設を出発してなるべく早いタイミングで運転手さんか助手のスタッフに渡すようにしましょう。
金額は1人1千円~2千円が一般的です。
搬送のスタッフが2名なら、2人で3千円でも構いません。
専用のポチ袋など用意がないと思いますので、お札を畳んでティッシュペーパーで包むだけでもOKです。
遺体搬送を依頼する時の流れと注意点についてのまとめ
この記事では、遺体搬送を依頼する時の流れや注意点について解説してきました。
簡単にまとめますと次の通りです。
・遺体搬送業務とは、亡くなられた方のご遺体を、病院や施設など亡くなった場所から、自宅や葬儀場など別の場所に搬送すること。
・遺体搬送には、次の3つの方法があるということ。
①葬儀社に依頼する
②搬送専門会社に依頼する
③自分達で運ぶ
それぞれにメリットデメリットがありますので、自分たちに一番良い方法を選ぶようにしてください。
・遺体搬送は、葬儀を依頼する葬儀社に頼む場合は、ほとんどの場合で無料になるが、搬送専門の会社や長距離、深夜の場合は料金がかかるということ。
・葬儀社に遺体搬送だけを依頼することもできるが、次のことに注意すること。
①遺体搬送だけを受けてくれるか?
②遺体搬送料金の確認
③搬送先の葬儀社に確認
④棺の要・不要についての確認
・自分の車で搬送する場合の注意点は次の通り。
①自家用車で遺体を運ぶことは違法ではないが、死亡診断書を携帯すること。
②ワゴン車やミニバンなどなるべくフラットにご遺体を載せられる車を使うこと。
③移動中にご遺体から体液などが漏れ出す心配があること。
結論としては、遺体搬送は自分達で自家用車を使って行うことはオススメせず、プロに依頼する方が良いでしょう。
・遺体搬送のスタッフに心付けは必要ない。
基本的には心付けは不要ですが、地域の習慣が根強い場合や、あなたの気持ちとして出す場合は、1人1,000円~2,000円を目安にすると良いでしょう。