コラム・お知らせ
2021.12.1
遺体搬送の車を手配してくださいと病院で言われたら
突然の身内の不幸。
近年はほとんどの方が病院や施設でお亡くなりになります。
そのため、亡くなられた方を病院や施設から運び出さなければいけません。
この、亡くなった人を運んでいただくことを、「遺体搬送」と言います。
病院や施設は、「なるべく早く搬送してもらってください」と言われる所がほとんどですので、早急に遺体搬送の車を手配しなければいけません。
しかし、この遺体搬送をどのように頼むかによって、その後の葬儀が納得のいく物になるかどうかが決まってきます。
と言っても、大切な家族が亡くなった直後、冷静に優良な業者さんに依頼するのはとても難しいことだと思います。
昭和区の葬儀社であるメモリアルホール川名にも、突然にご不幸が発生して大変戸惑われてお電話をいただく方も多くいらっしゃいます。
この記事では、病院で遺体搬送の車を手配するように言われた時の流れや、注意点について詳しく解説しています。
事前に知っておくことで、いざという時に慌てなくて済むようになるでしょう。
この記事でわかること
- 遺体搬送の車を手配する時の流れ
- 遺体搬送を依頼するという事は、葬儀社を決めるということ
- 遺体搬送の車を手配する時の注意点
昭和区の葬儀は家族葬・一日葬・直葬 メモリアルホール川名にお任せください。
目次
遺体搬送の車を手配してくださいと言われてからの流れ
まず、家族が病院や施設で亡くなられてからの流れをご紹介いたします。
この流れを知ることで、その時々にどんなことが必要なのか理解できます。
この記事は、名古屋市昭和区の葬儀社であるメモリアルホール川名の葬祭ディレクターが書いていますが、全国的に遺体搬送の流れは同様ですので、どなたにも参考になると思います。
①死亡診断書の作成
病院や施設で亡くなると、まず医師が死亡診断書を作成してくれます。
死亡診断をした医師が作成しますが、大きな病院などでは、事務方が必要事項をパソコンで入力して作成し、医師が確認と押印をする場合もあります。
施設などで医師が常駐していない場合は、往診してくれた医師がその場で書いてくれる場合と、その医師が所属している病院に取りに来てくださいという場合もあります。
②ご遺体への処置
多くの病院や施設では、清拭やエンゼルケアと呼ばれる処置をしてくださいます。
これは、亡くなれた方の御身体を綺麗にするだけでなく、体液などの漏れ出しを防ぐために、脱脂綿などの詰め物をする作業も含まれます。
③安置室への移動
中規模以上の病院の場合、亡くなられた方を遺体搬送の車が来るまでの間、安置しておく霊安室が備えられていることが多く、病室からその霊安室まで移動します。
小規模~中規模の病院では、専用の霊安室がない場合もありますので、そうした病院や施設では、そのまま病室・自室に安置される場合もありますが、処置室など使っていない部屋に移動する場合もあります。
これは、他の入院患者への配慮でもあります。
④遺体搬送
遺体搬送の車が到着すると、ご遺体を搬送車両に載せ、ご自宅や葬儀場に向けて出発します。
遺体搬送に使用される車両は、トヨタのエスティマなどミニバンの後部座席を取り外してストレッチャーが載せられるように改造した専用の車両になります。
エスティマの廃版に伴い、最近ではアルファードをベースにする寝台霊柩車も増えています。
以上が亡くなれてから遺体搬送までの流れになります。
遺体搬送の車はどうやって手配すればいいの?
遺体搬送の車はどうやって手配すれば良いのでしょうか?
遺体搬送は、基本的には葬儀社が行います。
都市部では遺体搬送専門の業者さんが行う場合もありますが、その場合でも葬儀社が手配した業者さんが搬送する、という流れになります。
そのため、遺体搬送の車を手配してくださいと言われた場合は、基本的には葬儀社に依頼する事になるのです。
遺体搬送の車を依頼する=葬儀社を決めるということ
先述の通り、遺体搬送の車を依頼するという事は、すなわち葬儀社を決めるということになります。
つまり、この遺体搬送を依頼することで、葬儀場が決定するということなのです。
もちろん、とりあえず遺体搬送だけお願いしよう、葬儀場は後から決めようと思って依頼することも可能ではありますが、その場合、遺体搬送だけで費用が発生することになります。
ほとんどの葬儀社の葬儀プランは、同一市内や、一定距離までの遺体搬送料金が含まれていますので、葬儀を依頼する葬儀社に遺体搬送の車を依頼すれば料金が余分にかかることはありません。
病院や施設から遺体搬送してもらう時の3つの注意点
葬儀社に遺体搬送の車を依頼し、病院や施設から搬送してもらう時に気を付けなければいけない事は何があるのでしょうか?
一級葬祭ディレクターである筆者が特にお伝えしたい次の3点について解説いたします。
- ①死亡診断書の確認
- ②希望する葬儀社に頼む
- ③搬送先はよく考えて
それぞれ詳しく解説したいと思います。
遺体搬送を依頼する時の注意点①死亡診断書の確認
病院や施設から、死亡診断書が発行されますが、この内容の確認をしっかり行うようにしましょう。
特に注意したいのが、亡くなられた人の氏名に誤りがないか、生年月日や死亡日時は正しいか?といった所になります。
特に亡くなられた人の名前については、戸籍に記載されている漢字と間違っていないことが重要ですので、しっかり確認するようにしましょう。
中には、パソコンでは出てこない旧漢字を使用している方もいらっしゃいます。
そうした方は、特に注意して確認するようにしましょう。
また、手書きで書かれた死亡診断書の場合は不要なのですが、パソコンなどで作成された死亡診断書の場合、医師の名前の所に印鑑が必要になります。
印鑑を失くしていく世の中の流れではありますが、今の所は必要になりますので、活字の場合は特に注意するようにしましょう。
遺体搬送を依頼する時の注意点②希望する葬儀社に頼む
遺体搬送を依頼するということは、葬儀社を決定するということと同じことです。
先述した通り、遺体搬送だけお願いして葬儀は別の葬儀社に依頼することも可能ではありますが、葬儀とセットで依頼すれば料金は無料であるのに対し、搬送だけを依頼した場合は5万円前後の請求をされる恐れがあります。
また、搬送はしてもらったものの、依頼した葬儀社では家からとても距離のある葬儀場しか利用できない、高額なプランしか用意されていない、思っていた葬儀を実施してもらえないといった可能性もあります。
葬儀社に対する情報が何もない中、突然の不幸の直後にそうした事を色々と調べて葬儀社を選定することは不可能に近いと思いますが、それでも現実として起こり得ることです。
これを回避するには、事前に依頼する葬儀社を調べておくなどの対策が不可欠です。
遺体搬送を依頼する時の注意点③搬送先はよく考えて
3つ目の注意点は、遺体搬送をしていただく搬送先をどうするか?ということです。
一般的に、遺体搬送先は自宅か葬儀場のどちらかのケースがほとんどです。
地域によっては火葬場の遺体安置室に搬送するという場合もありますが、全国的に見れば、自宅か葬儀社の式場のどちらかがほとんどでしょう。
自宅に搬送してもらう場合の注意点
自宅に搬送してもらう場合の注意点は何があるのでしょうか?
自宅に搬送してもらう場合は、次の事に注意すると良いでしょう。
・家族葬などを希望している場合、近所の方にバレてしまうこと。
霊柩寝台車で搬送されストレッチャーで運ばれてくる様子は、どうしたってご近所の皆様に知られてしまう事になります。
例え深夜であっても、普段と違う様子は気付かれることでしょう。
もし、あなたが葬儀を近親者のみの家族葬で行いたいと考えている場合は、自宅に搬送することでそれが難しくなる可能性があります。
・自宅に搬送し、安置するスペースがあるかどうか?
入院生活が長かったり、アパートやマンションなどの集合住宅の場合、なかなか故人を安置するスペースが取れないこともあるでしょう。
ただ故人を寝かせるだけでなく、枕飾りや、家族や親戚など弔問に訪れた人のスペースも必要になります。
・自宅に搬入する際に、スムーズに入れるかどうか?
亡くなれた故人を搬送する場合、ストレッチャーや担架布団などを利用して搬送しますが、当然立てて運ぶことは困難です。
そのため、エレベーターのない2階以上の部屋に安置する場合は、搬入が困難な場合があります。
また、エレベーターがあったとしても、トランクルームと呼ばれるエレベーターの奥に拡張できるスペースがあり、それを利用できなければいけません。
大抵のエレベーターでは、仮にトランクルームがあったとしても施錠されていますので、夜間など緊急時でも管理人さんが常駐し、鍵を開けてもらえるか確認が必要です。
遺体搬送の車は自分の車を使っても問題ないのか?
遺体搬送の車は、自分の自家用車を使用しても問題ないのでしょうか?
結論としては、法的には問題ないとなります。
ただし、実際に実施するのはなかなか困難な作業になります。
大型のミニバンや、荷室がフラットにできるタイプの車両であれば載せやすいとは思いますが、実際に遺体を自分達で抱きかかえて病院などから運びだし、車に載せ、また抱きかかえて安置場所に降ろすというのは、肉体的にも清拭的にもかなりの重労働です。
また、あまり遺体を大きく動かすことで、体液が漏れ出る恐れもあります。
遺体搬送の車を自分の自家用車で行うことは、不可能ではありませんが、専門家として決してオススメはいたしません。
遺体搬送の車の手配についてまとめ
遺体搬送の車を手配して下さいと病院や施設で言われた時に、どんな事に注意すれば良いのか、どんな流れで遺体搬送がされるのかについて解説いたしました。
なかなか普段から考える事ではありませんし、葬儀業界の人でなければ知らないことばかりだと思います。
特に遺体搬送の車を依頼するということは、葬儀社に葬儀を依頼するという事と同じ事になりますので、あなたが望まない葬儀社に依頼する事にならないように、事前に話を聞いておいたり、会員になっておいたりする事はとても大切なことだと言えます。
知っておくことで思わぬ失敗や後悔を防ぐことができますので、ぜひ、メモリアルホール川名の事前相談にお越しください。